MIRAGE GALLERY | Project
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福岡県田川市に移住してみるという選択肢

報告ですが、先週末東京で移住ドラフト会議というイベントに参加してきました。 この移住ドラフト会議とは、みんなの移住計画というイベントのなかで、各地の移住計画をそれぞれ球団にみたて、移住希望者(選手)とのマッチングをプロ野球でいうところのドラフト会議形式で行うイベントです。主催者は、「壮大なるコント」と冗談交じりに言っていましたが、実際は各球団たる地域側の思い、選手たる参加者側の思いは真剣で、とてもよくできたイベントだと感じられました。 僕は10月の或る日の朝にこのイベントをニュースで知り、六甲山国際写真祭やMirage Gallery、僕自身の活動にとても有益な活動になるだろうと感じられたので、その朝のうちに申し込んでいました。 日本は、10年後20年後の人口が急速に減少する少子高齢化の渦の中にいて、ものすごい勢いでこの渦に巻き込まれることは避けられず、地方からの人口流出とあわせると、地方の人材確保は急務です。行政レベルでもその対策を掲げてプロジェクトを次々に打ち出している自治体が多く、また最近のコワーキング、シェアオフィス、シェアハウス、エコツーリズムなどを絡めて意識の高い若い世代の地方に移り住みたいという需要もかなり高まっているようです。ローカル、リモート、多地域拠点など、普段の僕の活動からは聞き慣れない言葉も飛び交っていましたが、そのマッチングイベントが今年初めて全国イベントとして東京で開催されました。 [caption id="attachment_21838" align="alignnone" width="1024"] 球団のトークセッションの様子[/caption]   球団側は北海道から沖縄まで12地域から12の団体が来ていました。選手は50名足らず。初日は選手が2分間で自己PRし、球団側もどんな人材が必要かをPRをする前夜祭が開催されました。僕が驚いたのは、参加者が個人的なスキルを明確に伝えていたそのPR力の高さです。どういう経歴があり、キャリアを積んで、何を得意とするのかを明確に語って、自分の価値を語っていたことです。僕はどちらかというと、六甲山国際写真祭をはじめとしたプロジェクトを売り込もうとしていたので、これには慌てました。球団側には、農業、林業などの産業や伝統工芸などの継承者を求めているプロジェクトもあり面白いと思いました。 結果として、ギリギリで福岡県田川市のいいかねPalleteという廃校になった元小学校をつかって音楽やイベント、ホステルを運営するBOOKという会社に指名されました。田川市は福岡県の真ん中に位置する人口5万人足らずの町です。人口減少や産業衰退などの問題は他の地方都市同様抱えていると聞きます。今後1年に渡りどういうプロジェクトを作れるのか、移住するのかリモートでプロジェクトを作るのかなどを話し合い、3年以内に移住を含めて事業を開始可能か検討することになっています。もちろん、移住しなければいけないという縛りはなく、田川市のプロジェクトも、基盤は東京と田川の2拠点で活動しているようですので、やり方によってはリモートで十分に貢献できる可能性があります。 さて、僕は何をしようか。ひとまず来年1月にドラフトで指名された他の3名(ファンディング・ツーリズムなどが専門)と田川市を訪れて、行政やいいかねPalleteをみてこようと思います。もっとも短絡的に単純に考えると、写真集収集、展覧会開催、写真に関する子供達向けのワークショップ、写真家向けの表現ワークショップ、ドローンでのフィルム撮影ワークショップなどだと思いますが、宿泊施設も併設していることから、関西圏からの撮影ツアー、MeiHouseの九州版なども開催できるのではないかと思います。また、田川市の産業や移住促進につながる社会プロジェクトを今年の参加者(選手)全体で考えていくということも可能かもしれません。神戸と東京、田川と世界とをリンクしたアーティストインレジデンスといった大きめのプロジェクトも早々に提案してみようかと思っていますし、逆に田川で行なっているプロジェクトを神戸や六甲山に適用するという方法もあるのかもしれず、何か起こりそうでワクワクします。さてどうなるでしょうか。 移住ドラフト会議や、移住、地方創生、コワーキング、シェアハウス運営などに興味があればいちどドラフト会議のサイトをのぞいてみてください。今後このイベントは大きくなることが予想されるし、アートの地域参加、地域のアートの取り組みなどは、引き続き考える必要はあるとして、各地で開催されるアート祭という地域おこしの立ち位置だけでは続くことはないということもこのイベントに参加してみて確信しました。そういう全体像をみ渡せる視野をもつことも含めて、興味のある方はRAIECのチームに参加していろいろ勉強や提案をしてくださると嬉しいです。神戸移住計画なんかも人材確保、地方創生やアート支援、アート教育という位置付けで立ち上げたいと思っています。 またレポートします。    ...

Stay This Moment – Sam Abellとの対話

Stay This Moment - Sam Abellとの対話 Review Santa Feから帰ってきました。 こういうタイトルですが、実はSanta Feで開催されたReview Santa Feにレビュワーとして参加したイベントの一つにSam Abellのディナーショーがあり、僕も参加してきました。話は長くなります。 トークショーに先駆けて、Review Santa Feのプリントラッフル(六甲山国際写真祭でもやっているプリント抽選会/資金集めのための)が行われて、僕はわずかなチケット購入でSam Abellのオリジナルプリント(モダンプリント)を当てました。よって11月16日から開催する展覧会にこの当てたプリントを展示できると思います。ぜひご覧いただければと思います。 Sam Abellはアメリカでもかなり名の通った写真家です。長年National Geographicの契約写真家として活躍した彼ですが、実はReview Santa FeやSanta Fe Photography Workshopの立ち上げに貢献したSanta Feにゆかりの深い人です。"A Photographic Life"と題された彼のトークに先駆けて、彼の活動を知る多くの著名写真家たちが彼に賞賛の言葉を送るところから始まりました。Sam Abellは人々に愛され、地域や組織に愛され、その仕事の優秀さをもってその愛に応えていたことがわかります。Stay This Momentとは、彼の師(ごめんなさい、名前は聞き取れませんでした)が彼をNational Geographic誌に引き入れる際に語った言葉だと言います。「この瞬間に立ち会いなさい」とでも訳しましょうか。 彼自身のトークでは、アメリカや世界各地の数々のアサインメントで彼がどのようにイメージを編んできたかが彼自身の言葉で紹介されます。そのトークは、これまで僕が聞いてきたどんな写真家の言葉よりも重く、感動的でした。それは、Stay This Momentという彼の人生に影響を与えたたった一言をどう実践してきたかを丁寧に語るものだったからです。僕はどういうわけか涙をこらえることができませんでした。どうして僕は写真なんかに関わっているんだろう?それが最近の僕の写真に対する思いに様々な感情をもたらす疑問なのですが、その問いにSamは見事に答えてくれるのです。Stay This Moment、あなたが大切だと信じるこの瞬間に立ち会いなさい、と言われているような気がして感動したんだと思います。 その後僕が当てたプリントについて、どうしてこの作品が優れているのかがビジュアルの構成の中で説明されました。面白かったのは、コンポジションの良し悪しを語る際に、彼がジグソーパズルに例えてイメージの構造を説明して行くことです。実際、本当にそういったパズルがあったのかもしれません。そして、圧巻は最後の一節でした。彼は1980年に山口県萩に滞在して取材をします。その中で萩の人々や日本の暮らし、ひととひとの繋がり、人と町の関係を丁寧に取材しています。ある町の曲がり角で二人の主婦が挨拶を交わしている、その二人の主婦の所作にフォーカスされた写真が続きます。これはおそらく11月16日のMirage Galleryでの彼のトークを聞いて頂くと全て紹介されると思います。なのでここでは詳細は書きません。しかし、まさに街角に立った二人の主婦の所作がSam AbellのStayしたかったこのMomentであり、その瞬間に立ち会えたことが、続く30年余にも及ぶ彼の写真人生A Photographic Lifeに強い影響を与えた、と結論づけられトークが終わるのです。 そのあと、僕は10日後に日本で会うことになるSam Abellに挨拶に向かいました。近づくと、すぐに僕だとわかってくれたのだと思います。たくさんの人が彼を取り囲んでいましたから、握手だけすれば僕には十分でした。彼はパッと笑顔になって他の人との会話を中断し僕の手を握ってくれました。そして僕は多くを話さずその場を離れました。Stay This Moment。まさにその言葉の通り、この瞬間に立ち会えたことだけで幸福だと思いましたし、十分な対話だと感じられたのです。 11月16日は平日夜にも関わらずSam Abellのトークに多くの方のお申し込みがあります。残席はわずかとなってしまいました。場合によっては立ち見席をご用意させていただこうかなとも考えています。ぜひお早めにお申し込みください。なお、Sam氏と彼のチームは萩から京都に抜けるわずかな時間を神戸に割いてくれることになっています。残念ながらみなさんと時間を共有できるレセプションなどの時間は取れそうもありません。本当に申し訳ありません。どうかご了承ください。 最後に、このプロジェクトを企画するにあたりご尽力をいただいたGeorge Nobechi氏およびNOBECHI CREATIVEに感謝の意を表したいと思います。    ...

CHAN DICK写真展”Chai Wan Fire Station”を開催します

香港在住の写真家・Chan Dickさんの表題の写真展を、新しいRAIEC MIRAGE GALLERYのこけら落とし写真展として開催します。 Chan Dickさんは2016年の六甲山国際写真祭のゲスト写真家の一人で、またポートフォリオレビューに参加した写真家です。定点観測というありきたりな設定ではありますが、消防署の中庭で繰り広げられる様々な事象をとらえたこれらの作品は、その安定した美しい絵作りによって高い完成度を誇り、秋には写真集出版とあわせ、東京でも展覧会が開催される予定です。 ぜひお楽しみに。   [vc_tabs style="horizontal"][vc_tab title="日本語" tab_id="1e63aee1-778a-3"][vc_column_text] これはすべて偶然と好奇心とで始まった。私は6~7年をワークショップで過ごしたのだが、トイレの換気扇がいつも閉まっていることに気がついた。なので、外の風景を気にとめることもなかったのだが、あるとき、この換気扇が青色の中で唸っていることがあった。そこで、私は初めて窓の外を眺めたのだ。そこでは、消防士たちがバレーボールに興じているのが見えた。トイレの窓は、Chai Wan Fire Stationに隣接しており、無限の景色が繰り広げられるのであった。集会、エンジンの清掃、子供達の訪問、バレーボールといったように。この小さな窓が好奇心の旅の新しい章を開いてくれたのだ。はじめはただ眺めていただけだったが、次第に引き込まれるようになり、目を閉じていてもその風景が浮かぶようになると、私はそれを撮影して作品にせざるをえない気持ちになった。そうして、始めてみると、もう止まらなくなっていた。[/vc_column_text][/vc_tab][vc_tab title="ENGLISH" tab_id="1e1c5495-65ee-5"][vc_column_text] It all began with serendipity and curiosity. I spent six or seven years in that workshop and the ventilation shaft of the bathroom had always been shut. The scenery outside had never caught...